要介護認定等の判定時期

 相続した空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除は、令和元年度税制改正により、被相続人が老人ホーム等に入居していて死亡した場合においても、一定の要件を満たすときは、特例の適用が受けられることとなりました。

(1)老人ホーム等に入所した場合の適用要件

①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所していたこと

②被相続人が老人ホーム等に入所した時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による物品等の保管がなされ、かつ、事業の用、貸付の用(無償による貸付を含みます。)又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと

③被相続人が養護老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前までの間においてその被相続人の居住の用に供する家屋が2以上ある場合には、これらの家屋のうち、その養護老人ホーム等が、その被相続人が主としてその居住の用に供していた一の家屋に該当するものであること

(2)いつの時点で要介護認定等を受けていなければならないのか

 要介護認定等の判定時期は被相続人の居住用家屋が居住の用に供されなくなる直前において判定することとされました。ただし、被相続人が介護保険制度の基本チェックリスト該当者である場合は、養護老人ホーム等入所後に要介護認定等を受けたとしても、他の要件を満たす限り、適用を受けることが可能です。(なお、基本チェックリスト該当者は、介護保険法の要介護認定等を受けていなくても、介護予防・生活支援サービス事業によるサービスを受けることが可能です。)

(3)小規模宅地等との違い

 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)においても、留守中に自宅を第三者に貸付等した場合には適用を受けることはできませんが、同居親族がそのまま留守宅に居住し続ける場合は適用を受けることが可能です。

 また、小規模宅地等の特例においては、要介護認定等を受けているか否かの判定時期は相続開始直前であるとされています。